クッシュンと貰い泣き

今日、久し振りに来たA君が昔話をしました。

大学生活をおくった某県で居酒屋でアルバイトをしたそうです。

15歳上の居酒屋の経営者と愛し合う仲になったとか。

大学を卒業して家に帰り就職をしたA君は、彼と久し振りに会う約束をして某県に行ったそうです。

でも待てど暮せど、待ち合わせ場所に彼は来ません。

彼の家に電話をしたら、彼は心筋梗塞で急死したとのこと。

彼はまだ若く、香典の袋をどのようにして良いか分からないので、文房具屋さんに行き、全て書いてもらったそうです。

そして香典とし、帰りの電車賃(新幹線代)だけ残して、持ち金(8万円以上)全てを入れて、彼の家に届けたそうです。

家族の人は、突然訪問して来た若者が高額の香典を差し出したのでビックリしていたとか。

香典だけ差し出して、葬儀には参列しなかったそうです。

帰りに二人で行った想い出の酒屋に行き、死んだ彼の分も含めて2人前を注文したとか。

注文した物に箸もつけない彼を周りの人は不審に思っていたそうです。

映画でも観ているような彼の体験を聞いて、私は貰い泣きをしてしまいました。

そして、今夜飲みに来たのは、と彼は話を続けました。

A君(経営者)の下で働いていた同い年の人が急死したそうです。

彼の家に行って分かったそうです。

彼(独身でノンケ)は年老いたお母さんの看護をしながら仕事をしていたのだと。

彼は、親の介護のことは職場で一言も話さなかったそうです。

日頃は酒を飲まないA君ですが、流石にその時はやるせなくて酒を飲んだそうです。

そんな思いを紛らわせる為に、わざわざ大阪まで飲み来たと、A君は話しました。

話を聞いていた私はまたしてもクッシュンと貰い泣き。

今夜は満月でした。

満月については明日、書き込みをします。