朝、何時もの通勤電車。
眠っている人。ヘッドホンで音楽か何を聞いている人。
新聞を読んでいる人。その他色々の人。
ぼんやり車内を見渡していると、他の車両から若い女(小娘)が移って来た。
ブーツを履いて、付けまつげを付けてバッチリ化粧をした細身の女が私の前の席に座った。足を組んで。
電車が長いトンネルの中に入った。
車外は真っ暗。
車内は電気が晧晧(こうこう)と輝きだして帰宅の電車のようになった。
でも、車内の人々も帰りの電車の人のよう。
疲れて寝ている人。音楽を聞いている人。新聞を読んでいる人。
目の前に座った女はキャバクラに勤めに行く女に変身。
あー、朝の電車の車内も、夜の電車の車内も同じだ。
何か複雑な感じ。
バスから若い女が降りた。
少し美人、スマートでコートを着ている。
踵(かかと)の高いブーツを履いている。
バスから降りると走り出した。
青信号を渡り、走って行った。
コートの裾を翻して、走り難いであろう踵の高いブーツで走り去って行った。
学生時代に陸上でもやっていてのだろうか。
さっそうと走り去った若い女に感動をした私です。