朝起きると我が家の猫はOちゃんの蒲団の中で寝ている。
猫は夜行性だから夜中はウロウロしている。
狭い部屋の中を行ったり来たり。
テレビの上に乗ったりしている。
そして朝方、Oちゃんの布団の中に入り眠りにつくのである。
この猫は、白と黒の猫で何歳になるか分からない。
我が家で生まれたのだけれど何年前に生まれたかは覚えていない。
生まれてから5年以上になるかもしれない。
何故、覚えていないかというと、もう20年以上猫を飼い続けているから。
そして、何代にわたって飼い続けているから。
多い時は13、4匹もいた時があり、1匹、1匹覚えている間がなかったから覚えていないのである。
でも、今いる猫が最後の一匹になってしまった。
20年前、雨の中、車の下にいた白い猫をOちゃんが拾ってきたのが猫の飼い初めであった。
昔は1匹、1匹全てに名前を付けていたが、今の猫には名前がない。
余りにも猫が多い時だったので名前を付けて呼んでも、猫が振り向かなくなったので最後には名前を付けなくなってしまった。
だから今の猫は名無しである。
ノソノソと私の側を通る時、猫は白い眼でジロっと私にメンチ?を切る。
そしてこの猫は、何時も物思いにふけっている様な態度をしているが、“何で生きているか?”とか“人生とは何だろう?”などとは考えたりしないだろうな。