今日の最初のお客さんはNさんとAちゃん。
喫茶店をされているNさんとは何年振りだろう。
本当に久し振り。
店のオープンを聞いて来て下さったようだ。
「お店は暫らく休みをとっては駄目よ。私は店を初めて2年間は休みなしでやったのだから」とのお話。
蘭の花について、ごま豆腐の出し方、お店のこと等を色々話され、私達のやり方にイエローカード(指導)を沢山頂いたけれど「ごもっとも、ごもっとも」と、お聞きしていました。
流石、先輩といった感じで勉強になりました。
7時から後は懐かしい顔ぶれが揃い満席。そしてワイワイ。
Tちゃんが今日、何故新世界に飲みに出たかをみんなに話し出した。
2年前、自分の家の前に2匹の子猫が捨てられていたそうだ。
捨て猫を発見して近付くと2匹の中、1匹はものすごい勢いで何処かに走り去ったそうだ。
そして、残っていた1匹を家で買うことにしたらしい。
そして、そして、つい最近家の脇で死にかけの猫を発見。
その姿かたちからして2年前に走り去った猫に違いないと彼は言う。
家で飼っている猫、家の中で元気に走り回っている猫にそっくりだからと彼は言う。
死にかけの猫に水やミルクをやり、頭や腰をさすってやっていると言う。
一方は家の中で飼い猫として可愛がられて元気に走り回っている。
一方は捨て猫、野良猫として忌み嫌われて厳しい人生を送り、今まさに死にかけている。
彼は涙を拭き拭き話を続けた。
今夜が最後だろうと。
その猫の最後を見るに見かねて、家を出て来たと言う。
彼を一階まで送って行った。
彼は新世界市場の方に歩き出し、私に言った。
「マスターはやさしいね」と。
私は彼に優しい言葉をかけたっけと、一瞬考えたけれど、(優しい人)と思ってもらえたことがすごく嬉しかった。