来店されたお客さんが言われました。
「地下鉄恵美須町駅にも新世界本通りにも、人は誰もいなかったよ。寒くなったせいかな?」と。
その言葉通りに、今日のお店は暇でした。
でもでも、暇なぶん、お客さんの話をいっぱい聞けたので楽しかったです。
4、5年前に軽い脳梗塞になったAさんが話しました。
会社で倒れて救急車で病院に運ばれたそうです。
腿の動脈からカテーテルを入れることになり、看護師(女性)が陰毛を剃る、と云うことになったそうです。
女性に剃られるのが恥ずかしいので、「自分で剃ります」と言い、うつむいて剃ろうとしたらめまいがして剃れなかったそうです。
仕方なく看護師に剃ってもらったそうです。
麻酔を掛けられた後、「お医者さんが(Aさんの)ペニスを左によけてカテーテルを入れるのが分かった」と、Aさんは言っていました。
いまでも、頭の中に詰まった所(かたまり)が残っているそうです。
また、Aさんの相手(年配)が入院した時、「(数人部屋で人目を避ける為に)カーテンを引いて、手で抜いて上げた」と、笑って話していました。
B君の彼は110キロくらい。今まで肋骨を2回、折っています。
1回目はコルセットだけで治ったそうですが、2回目は入院したそうです。
折れた原因は、会社の宴会でふざけて同僚に覆い被さった時、弾みで肋骨が折れ、折れた肋骨が肺を傷つけて息が出来なくなり即、救急車で運ばれて入院をしたそうです。
入院したのは大学の付属病院。
スリムな若い子が好きな彼は、尿瓶でオシッコを取られるなど、若いインターンの多い病院での入院を楽しんでいたそうです。
見舞いに行ったC君は、その現状を見て、「早く退院しろ」と忠告したそうです。
110キロの彼はダイエットして、今は85キロくらいだそうです。
入院前、入院後の彼のお腹の写真をみんなに携帯で見せていました。
「太った人はうつ伏せになるのが苦しいので苦手だ。セックスの時は上向きがほとんどだった」とB君は言っていました。
Cさんは4、50年前の話をしてくれました。
梅田新道の裏に「日響」と云うクラシックレコード(モノラルの時代)を流していた音楽喫茶があったそうです。
その音楽喫茶が気に入り、毎日のように行っていたそうです。
喫茶店にいた時、“ビールが飲みたいな”と思い、喫茶店を出てビールを飲める所を探したそうです。
暗くなった裏町を歩いていると、ボーっと灯りが点いた店らしきもの(長屋の1軒)があり、ドアを開けたそうです。
ドアを開けると、お客さんが一斉にCさんを見たそうです。
店の人もお客さんも、全て男。“変な店だな”と思ったとか。
ビールを頼むとマスターが跳んで来て「ここはあんたのような人が来る店ではない。帰りなさい」と追い出されたそうです。
それからがCさんの根性のあるところ。それからは嫌がらせではないけれど、たびたび、その店に通ったそうです。
後で分かったことですが、当時、有名な芸能人などが通うゲイスナック「アポロ」だったそうです。
Cさんはゲイデビュー当時の話(映画館やプロと出会った話など)を面白可笑しく、いっぱいしてくれました。