Aちゃん、Bちゃんは同郷。店での席は隣同士。
2人は波乱万丈の生い立ち、人生を話してくれました。
「昨日、喜寿でした」と、Aちゃん。
Aちゃんは10人兄弟。お母さんは再再婚者。
お母さんが独身の頃、許婚(いいなずけ)がいたそうです。
そのお母さんを(お母さんの)従兄弟が奪略婚。
3人、子供が出来て離婚。
許婚だった男も離婚して、出戻りのお母さんと再婚。
1人、子供が出来て離婚。
母の2人の夫はろくな男ではなかったそうです。
その次に体の弱い男(Aちゃんの父)と再再婚。
子供が6人。Aちゃんは下から2番目。
Aちゃんが5才の時に、お父さんが亡くなったそうです。
お父さんは子供たちに優しかったそうですが、お母さんは働きずくめ。
お母さんに可愛がられた記憶はないそうです。
Aちゃんも苦労して大阪に来て結婚。子供2人。そして、離婚。
離婚後、Aちゃんは心臓の手術をしたそうですが、誰も見舞いに来てくれなかったそうです。
60才で、Aちゃんは男の初体験。
今は男と同棲(セックスレス)をしています。
Bちゃんは9月17日で35才。Bちゃんは5人兄弟の3番目。
お母さんが17才の時に兄が生まれ、Bちゃんはお母さんが20才の時の子供。
Bちゃんが生まれて、お母さんは離婚して、家を出たそうです。
Bちゃんは、父方のお祖母さんに育てられたそうです。
お母さんはその後、男を何人も取り替えて、種違いの弟が2人。
Bちゃんのお父さんは83(隠語)。兄も姉もぐれているとか。
小学校の運動会の日、Bちゃんは家族が応援に来てくれることを願い、運動場にブルーシートで場所(家族の応援席)を取り、待っていたそうです。
でも、誰も応援に来てくれなかったそうです。
「自分がぐれないで来れたのは友達が良かったから」と、Bちゃん。
「信頼できる父(大人)が欲しかったから、僕はゲイになったのかもしれない」と、Bちゃん。
Bちゃんが故郷に帰ると、何番目かの男と暮らしているお母さんが暗に言うそうです。「私に小遣いはくれないの?」と。
Bちゃんが大好きだったお祖母さんが亡くなり、お通夜の晩、お父さんとお母さんは大喧嘩。
葬式の時には、お母さんは来なかったそうです。
“親や兄弟、つまり家族と縁の薄い人は気の毒だな”と、私はしみじみ思いました。