金曜日

最初のお客さんは東京のSちゃん。

金、土、日曜日が休みになり、“東京で過ごそうか?大阪に行こうか?”と考えて大阪に飛行機で来たそうです。早めに飛行機を予約したら片道10,000円で来られるそうですが、「今回は急に予約したので来る時は13,000円。帰りは12,000円」と言っていました。

「僕は甘い物は駄目だから適当に買って来ました」と言って、揚最中をお土産にくれました。揚最中は駒込の御菓子司「中里」の最中で、厚い煎餅で小豆の餡を挟んだ物でした。食べると香ばしいい香りがしてパッリとした歯ごたえ、甘味をおさえた小豆。食べ終わった後、口の中には煎餅の塩味と小豆の甘さが絶妙な感じで残っていました。本当に美味しい揚最中でした。

Sちゃん、ありがとう。

星児君の来店。後でMNさんの来店。

星児君は今日、スパワールド(新世界の天然温泉)に行き、その後、食事をして来たそうです。スパワールドでは知り合い2人に会ったと言っていました。

その2人の来店。1人はIちゃんでお連れさんは初めての人。

お連れさんはSさんで60才。Iちゃんとは堂山のスナックで出会い、付き合いだしてから半年だそうです。

Sさんは学生の時、コマシルバー(今はないハッテン場の映画館)でゲイの世界を知り、男の人に「こんな映画館に来たらあかん」と言われ、ゲイスナックに連れて行かれたそうです。独身で介護の為に仕事を辞め、7年前に父、3年前に母を見送ったそうです。

Iちゃん、(日記を読んでくれている)Sさん、かけふの店で楽しんでもらえましたか。新世界に来られたら是非、寄って下さいね。

Yさんの来店。Yさんもスパワールドに行って来たそうです。スパワールドは混んでいたそうですがスパワールドは本当にオケケが多い温泉です。

Yさんは東京に若い男がいます。その男から新幹線の往復のチケットを送ってきているので近々、東京に行かなければならないそうです。チケットまで送ってくるなんて良いよね。

Nちゃん(56才)の来店。

Nちゃんは「日食を見たい。距離が違い、大きさが違う太陽と月が重なるって凄い。不思議だ」と言っていました。私が「計算すれば分ることでしょう」と言うと、私のことをNちゃんが「夢がない。現実主義者だ」と言いました。

Nちゃんは又、「真っ暗な空を見てみたい」と言いました。私は???。「真っ暗な空では何も見えないでしょう」と私。Nちゃんが言いたかったのは、“街の明かりのない真っ暗な所で満天の星を見上げてみたい”と云うことだったみたいです。

大阪で育ったNちゃんは満天の空を見たことがないそうです。又、自分の指先も見えないような真っ暗闇を経験したことがないそうです。

田舎で育った岡ちゃんと私は“都会で育つって、そうなんだ”と不思議に思いました。

「満月の夜に、月明かりで影踏みをして遊んだことがあるよ」と私が言うと、Nちゃんは驚いていました。

Nちゃんは「死ぬまでに無数の星が出ている空を見てみたい」と言います。「来年は与那国島(Nちゃんの亡くなった両親の出身地)に行くかもしれない。その時に空を見てみよう」と言っていました。

Nちゃんは酒飲みで自分勝手だったお父さんより、そんな夫につかえながら自分達を育ててくれたお母さんを今でも愛し慕っているようです。

「お母さんは幸せだったろうか?」とNちゃんが言うので、「夫は兎も角、子供が立派に育ったことでお母さんは幸せだったと思うよ」と私が言うと、Nちゃんは納得して、うなづいていました。