水曜日

去年の9月、仕事で東京に行ったAさん(58才)の来店。

Aさんは仕事の都合と、飲みに行くのに便利な様にと、吉原(東京都台東区千束)に引っ越したそうです。

最初は埼玉県の1Kのマンション(家賃は約8万)に住んでいましたが、最近引っ越した吉原は高級ソープ街(風俗の街)なので、家賃が安いそうです。

吉原では1K(古いマンション)で、だいたい6万円くらいだとか。

昼、喫茶店に行くと、ソープ嬢でいっぱいだそうです。

ソープランドの看板に料金が載っているそうです。3万5千円と。

「東京は合わない。やっぱり新世界よ」と、Aさんは言っていました。

Bさん(66才)と、Cちゃん(61才)の来店。

Cさんは先月、左眼の白内障の手術をして、今月、右眼の白内障の手術をしたそうです。

両目とも、よく見える様になった様です。

これまでは遠近両用のメガネをしていましたが合わなくなり、今日はメガネをしていませんでした。

近場を見る時だけ、老眼(1.5)を掛けているそうです。

Bさんは今日、他の店でしこたま飲んだとかで、かけふの店では焼酎をあまり飲みませんでした。

Bさんは明日、山口に帰省するとかで、今夜は早く帰って行きました。

D君は、台風とか色々あったので、仕事の納期が大はばに遅れてしまうそうです。

期限までに、役所の審査(建築基準法に基づく「建築確認申請」)等が通らないで、納められなかったら、銀行からお金が出ないそうです。

会社の命運がかかっているそうです。

会社の役員をしているD君。

「死んでしまおうかな」とか何とか言いながら、深酒をしていました。

D君、中村美津子の歌「大阪情話」のセリフにあるやろ・・

「なァあんたヤケ酒呑んでも何にも変らへん。

この世で起こったこと この世で納まらん筈がない

山より大きい獅々(しし)は出えへん。気を大きい持ちいなァ-。」と・・

Eちゃん、本当に久し振りでの来店。

Eちゃんが静かに飲んでいて、「あっ」と、何かを思い出した様子。

「どうしたの?」と聞いたら、「Fちゃんのことを思い出した。Fちゃんはどうしているかな?」と、Eちゃん。

Fちゃんには、もう7、8年、会っていません。

ゲイの世界には飲みには出ていない様子で、こつ然と姿を消しました。

でも、Eちゃんが携帯電話に電話をすると、呼び出し音がなるので、生きていること、大阪に居ることは確かなようです。

今から20年近く前、EちゃんとFちゃんとは、相思相愛の仲でした。

でも、Eちゃんが生死の間をさまよう様な大病をしたのです。

Fちゃんは独身ですが、Eちゃんは妻子持ち。

1度だけ病院に見舞いに行きましたが、その後はEちゃんからの連絡待ち。

見舞いに行った時、奥さんや子供に会いましたが、家庭を壊したら行けないので只ただ、連絡待ち。

FちゃんはEちゃんのことを深く深く愛していたので、只ひたすら、連絡を待っていました。

そして、Eちゃんからもらった時計を大事に、大事にしていました。

待てど暮らせど連絡はなし。2ヶ月が過ぎ、半年が過ぎ、1年が過ぎ。

でも、Fちゃんは待っていました。

はた目で見ていても、出しゃばらないで、ジッと古風な生き方をするFちゃんが可哀そうでした。

貯金に励んでいたFちゃんはその中、仕事も止めてプータローに。

日々の生活をパチンコのプロとして、暮らすようになりました。

その後、元気になり、社会復帰をしたEちゃん。

何年後かに、電話を入れたが手遅れ。

Fちゃんは裏切られた気持ちが強いのでしょうか、電話には出なくなりました。

また、「Fちゃんを見かけた」と云う話も、近年は聞かなくなりました。

Fちゃんは、元気に暮らしているのでしょうか?

Fちゃんの職場は、南の繁華街にありました。

岡ちゃんと私が南に行ったら、Fちゃんを呼び出して、一緒にコーヒーを飲んで、だべっていました。

当時、Fちゃんはカラオケで日野美歌の「」を、よく唄っていました。