水曜日

 録画をしておいた番組、21日(日)に放映されたNHKドキュメンタリーセレクション「日本で一番長く服役した男」を、昨日、再生して見ました。

服役をしていた男をAと仮にしたら、Aは昭和11年生まれ。

Aが6才の時に父親が戦死をして孤児になり、23才の時に強盗殺人。 被害者は女性(精肉屋の妻で2児の母)。

無期懲役で熊本刑務所で服役。

服役後20年を過ぎて模範囚だったら仮釈放が認められるがAの場合、身元引受人がいなくて、5回 仮釈放を申請をしたにもかかわらず、認められずじまい。

その後、地下鉄サリン事件が起き、仮釈放の申請は30年以上の服役後となる。

模範囚だったAはこの頃、精神と共に行動が荒れたという。

2019年、法務省の委託を受けていた一般老人ホームの責任者が身元引受人になり、入所後61年と2ヶ月のAは仮釈放。

この61年の服役期間は日本最長とのこと。

老人ホームに入所して、突然の自由と、仕事がないことにAは戸惑い、卑屈に。

ただオロオロとし、ホームに馴染めぬまま時は過ぎ、ある日、Aの地(本性?)が現れ精神的にあれることも。

ホームに来て1年になろうかという時に体調を崩し入院。

しかし自宅療養ということで退院。 そして、静かに死亡。

仮釈放後、1年と5日後に帰らぬ人に。

コロナの加減もあってNHKの取材は不十分。

でも、1つのドキュメントとしての体裁を作り放映。

ホームの責任者も、NHKの取材陣も、Aに殺人の罪について最後まで悔悟の念を求めていた感じ。 私の印象。

私から見れば、仮出所がAにとって幸せだったかどうかは疑問。

それだったら、刑務所の中に老人用の施設を作った方が良いのかも。

その方が生活保護を受けさせて残り少ない人生の人達を社会復帰させるよりもまし、と私は思いました。

 今日は、図書館で借りて来た本、吉村昭著の「見えない橋」を読みました。

この小説も刑務所を出所した69才の男の話しでした。

36回、服役した男(仮にB)の話で、最初こそ窃盗でしたが後は微罪のくり返し。

娑婆で暮らすより、食べることに困らず規則正しい生活を苦にしない男の話しでした。

保護会の責任者をCと仮にして、CはBが刑務所暮らしに戻りたくて無銭飲食などを繰り返さないかを心配していました。

そして、「保護会の施設を自分の家だと思い何時でも遊びに来なさい」と言い、生活保護を受けさせて一人、アパート暮らしをさせます。

一人暮らしを始めた翌日からBは施設に来て、掃除を始めます。

その中に、暇なので教会に行ったら婦人部から親切にしてもらい、教会の掃除や、子供会の手伝いをするようになりました。

婦人部が、もっと日当たりのいい部屋に移りなさいと部屋を世話し、おかずなどを持って行くようになりました。

そんなある日、Bが教会に来ないので訪ねて行くとBは部屋で死んでいました。

喉に物を詰まらせての窒息死でした。

一言、二言では言い表せない、なにか心に中にモヤモヤしたものが ・・・・ 色々考えさせられた昨日、今日でした。

ただ思うことは、Aが61年前に強盗殺人をしていようと、それを他人(部外者)の私達に責め立てる権利はあるのでしょうか?

そしてドキュメンタリーの中で驚いた事は、被害者の女性の長女(67才くらい)がもの凄く賢明な女性だったことです。

今日も静かに一日が終わりました。

明日はどんな一日が訪れることでしょう。

自分に正直に、懸命に生きたいものです。

ふるさと さん、投稿、ありがとうございました。

何処でもそうですが、「住めば都」とよく人は言います。

多分、私の場合は、ただ、ただ、ひと恋しいだけなのかもしれません?

なんか、意味が違うかな?