シユウ君

昔、シユウ君と云う子がいました。

その子は掛布が好きで、誠の店に来ていました。

掛布はシユウ君って、線の細い子だなって思っていました。

シユウ君は「小鉄」に勤めていました。

小鉄が終わって、遅い時間、何時も「庵」(死んだなっちゃんの店)の店で飲んでいました。

シユウがケガをした時、掛布と岡ちゃんはシユウの部屋に行きました。

花園のマルエー(スーパー)で弁当を買って、シユウのワンルームマンションに行きました。

シユウは凄く喜んでくれました。

でも、それから半年もしない中にシユウは死にました。

シユウはゲイの店に入る一寸前まで、下水処理(下水管の清掃)の仕事をしていました。

そこの人から、仕事を臨時で手伝って欲しいと言われました。

シユウは下水管の仕事(神戸)に行きました。

でも、シユウが手伝いに行ったその日、大水が出て、シユウは死にました。

下水管の中で、大水に流されてシユウは死にました。

シユウは昔、自衛隊員でした。

世渡り下手なシユウでした。

今日も掛布は酔っています。

酔ってシユウ君を思い出しました。

多分、今では誰も思い出さないでしょう、シユウ君の事を。

シユウを思い出した掛布も世渡り下手な男でしょう。

涙を流して、シユウを思い出しています。