Aちゃんは71才。
36才の時、奥さんにカミングアウトして夫婦間のセックスはなくなったそうですが、離婚はしないで現在にいたったそうです。
40才を過ぎた頃、夫婦2人だけの生活をむなしく思い、「子供が欲しい。養子でもとろうか?」と、3才下の奥さんにAちゃんが言ったそうですが、奥さんは「いらない」と一言いったそうです。
人生も残り少なくなり「誰かの為になりたい。誰かにつくしたい」と、思うようになったそうです。
ある時、一回り下の男と出会ったそうです。
男は事業に失敗し、離婚をした人で、Aちゃんは一所懸命、男につくしていたそうです。
でも、Aちゃんの一所懸命は男には重荷になってある時、男は電話で怒ってきたそうです。彼の怒りに対して、売り言葉に買い言葉でAちゃんは反論。とうとう別れ話になり別れてしまったそうです。
男と別れて数年、男はタクシーの運転手をしているとか。
「彼が怒って電話をしてきた時、冷静に話を聞けば良かった。じっと、話を聞いてやれば良かった。私の自分勝手な“つくしてやりたい”の気持ちが彼には重たかったのかもしれない。今度、彼に電話をして謝りたい」とAちゃんは言っていました。
相手の為に良かれと思ってしても、相手のことを考えなくてはいけない。相手の怒りに対しても(愛があるから怒ってくる)冷静に対応しなくてはいけない。色々、考えさせられるAちゃんの話でした。
Aちゃんの奥さんが年明けの頃、2ヶ月くらい入院したそうです。
仕事をしてから病院に行き、家に帰ってから奥さんの洗濯物をして1人になった時、淋しさで1人、泣いたそうです。
人生、生きていくのは大変だよね。
Aちゃんは三島由紀夫の「豊饒の海」を再度(3、4回目)読み返しているそうです。
「自分の前世はなんだっただろう?来世はどうなるんだろう?輪廻転生は面白い」と言っていました。
Bちゃんは61才。3年前から人形作りを習っているそうです。
朝、家族の為の朝食を作り、みんなを送り出してから人形の制作に取り掛かるそうです。
コツコツ一所懸命に作るので集中力が保たれるのは午後2時くらいまでだそうです。年に一体くらいしか作れないそうです。
人形制作の為に、この間は福岡まで中村吉右衛門の歌舞伎を観に行って来たそうです。
定年後のライフワーク。頑張ってね、Bちゃん。