パソコンを組み立てるのが趣味のお兄さんと一緒に日本橋(電気街)に行って来たTちゃんの来店。
Tちゃんはテレビで放映される映画やオペラ、クラシック音楽をDVDに入れるのが趣味です。
録画したDVDは死ぬまでに全部観ること、聴くことが出来ないだろう、と笑って言いました。
Tちゃんはカラオケで唄いだしたのは本の数年前からだそうです。
男と別れてスナックに出入りし始めて、やっとカラオケで演歌を唄い始めたそうです。
最初の頃は香西かおりも知らなかったそうです。
何か覚えようと何曲か聴き、一番最初に覚えたのが「雨酒場」とか。
その前は森山直太朗の「さくら(独唱)」などを聴いていて、車の中で唄っていた、そうです。
「『さくら』を唄ってみて?」と言うと、「カラオケで唄ったことはないけれど、唄ってみようかな」と言って、唄ってくれました。
歌を唄い終わった途端にTちゃんは涙を拭き始めました。
「さくら」は7年前の歌。15年付き合った彼と別れたのが4年前。
彼と車に乗り、「さくら」を大声で唄っていると「やかましい」と迷惑がられたそうです。
ある時「(2人の関係は)これまでとしましょう?」と彼に言われ、「そうしよう」と、Tちゃんが言い、別れた2人。
Tちゃんは今でも彼を愛しているようです。
Tちゃんが涙を拭いているところにNちゃんとHちゃんの来店。
暫くしてKOちゃん、KEちゃんの来店。
KOちゃんが突然、「一心寺(お骨仏の寺)はいつでも出来るの?」と言い出したました。
一心寺はゲイの世界でのハッテン場でもあるので、男がいつでも出来るか?と云う意味かと思っていると、KOちゃんの知り合いの人が納骨されているので、いつでもお参りが出来るか?と云う意味でした。
その話からAちゃんが自分のお母さんの葬式の話を始めました。
お母さんは金曜日の夜に亡くなったそうです。
会社関係の人には知らせないで家族葬にしたそうです。
まだ子供が小さい頃で、子供達に亡くなったお祖母さんとの思い出を作文に書かせたそうです。
葬式は、みんなで花を生けて仏壇に飾り、子供達に作文を読ませたそうです。
お坊さんは呼ばずに自分達だけの葬式としたそうです。
最後に、みんなで生けた花を棺おけに入れて出棺としたそうです。
お坊さんを呼ばなかったので戒名はなく、生前の名前のままだそうです。
話を聞いていたHちゃんは「心のこもった葬式だね。近頃は家族葬が多く、香典も受け取らない葬式が増えているね」と言っていました。