Aちゃん(60半ば)は、背が高くて筋肉質。
学生時代は部活で、バレーボールと卓球をしていたそうです。
中学の時、陸上部の部室に行くと、みんながサポターを穿いたり、脱いだり。
その白いサポーターを見て、Aちゃんはモヤモヤしていたそうです。
Aちゃんが男を知ったのは結婚後の30代。
堂山のスナック「ニュードン」で知り合った男とは、その後、スナック「星」で飲んでいたそうですが、約3年で終わり。
東京の新橋で知り合った男が京都に転勤。
その彼とも数年で終わり。
Aちゃんはなぜか、男にのめり込むことはなく、いつも淡白な付き合い。
そんなAちゃんだから、付き合った男とは、いつも自然消滅だった様です。
Aちゃんは若い頃、奥さんにはいっぱい苦労を掛けたそうです。
職場でのイライラ(精神不安定)から、ギャンブル(パチンコ)依存症になり、借金を作った時も、奥さんは何も言わずに後始末をしてくれたそうです。
今、こうして「かけふの店」で、のんびり飲んでおられるのも、奥さんのお陰と、今は奥さん孝行(しょく罪の気持ち)をしているそうです。
最近は善光寺に行ったり、東京ディズニーシーに行ったり、フィギアスケートのアイスショーに行ったりしていて、11月には森山良子のコンサートに行くそうです。
Aちゃんは今、働いているのは週に4日。
職場での昼食は外食だったそうですが、お腹がいっぱいにならないので、今は、奥さんに弁当を作ってもらっているそうです。
弁当のご飯は大盛り。
おかずはスーパーの惣菜が入れてあるそうです。 手抜き。
昼からの仕事が始まると、ベルトを緩めての満腹状態。
いつも、うつらうつらしているとか。
「弁当を作ってもらうと、小遣いが減らなくて助かる。こうして『かけふの店』にも、飲み来れる」と、Aちゃん。
「Nさんが亡くなったの、知ってる?」と、Aちゃんに聞いたら、「へ〜、知らなかった」と、Aちゃん。
Nさんは、すごく控えめな人で、シャンソン歌手。
朗読もしていました。
3、4年前に、前立せん癌で亡くなりました。 60過ぎ。
Aさんは、Nさんのコンサートには、よく行っていたそうです。
「Nさんが唄う、『百万本のバラ』は良かった」と、Aちゃん。
Nさんが唄う「百万本のバラ」は、加藤登紀子の訳詩ではなく、松山善三が訳詩をした歌です。
Aちゃんは松山善三訳詩で、歌唱久米小百合の「百万本のバラ」をカラオケで唄いましたが、涙をぽろぽろ流しながら唄っていました。